OB会活動 開催報告

Report

44人が参加して真剣なグループ討議、旅行産業経営塾が「大阪出前塾」を開催
テーマ:観光業未来への提言・有馬温泉のブランド力向上と活性化に学ぶ

金井啓修氏 塾長挨拶

1月23日(土)午後、大阪市浪速区湊町の大阪市立生涯学習センター講堂で、旅行産業経営塾OB会(水野剛会長)主催の「大阪出前塾」が開かれ、旅行、観光産業に勤める人や卒塾生ら44人が参加しました。

 ものごとの本質をとらえて行動できる骨太の人材養成を目的として設立された旅行産業経営塾が2016年5月から第三次経営塾をスタートさせるのを前にして、新規塾生募集のPRとOB懇親をかねて開催しました。

 今回の講演は有馬温泉で陰影をテーマにした個性的な旅館「陶泉 御所坊」を経営するとともに、町の賑わいづくりの中核として活動してきた金井啓修(かない・ひろのぶ)さんにお願いしました。

 金井さんは有馬の町づくりに奮闘してきた経緯から「旅館経営ではなく町づくりの視点からお話しします」と切り出しました。神戸市が40年前にNHKの朝ドラ「風見鶏」で取り上げられたのをピークに観光地のトップから滑り落ちた経過を説明。「町づくりの計画は30年サイクル」と強調しました。今、金井さんが取り組んでいるのは伝統野菜の一つで絶滅寸前の「有馬山椒」復活。地元農家と連携して、六甲山で採取した山椒を接ぎ木で増やして生産につなげる活動をしています。「地産地消というけれど、地産地商でなくてはいけない。スローフードの本場ではこれを大切にしている。成熟した欧米の旅行者を呼び込むには伝統野菜などを栽培して特徴を打ち出す必要がある」と話しました。

 経営塾ではいつも講演者が出した「お題」をもとにグループ討議をしています。この日金井さんが出したテーマは「旅行業界は地域創生にどう関わるべきか」。6つの班に分かれて真剣に1時間のグループ討議。卒塾生以外の参加者を中心に討議結果をプレゼンしました。武家屋敷が残る兵庫県たつの市の観光開発に協力している会社経営者が経験をもとに「滞在型のスローな旅を提案していく」と話したり、学生時代に西成区のあいりん地区で外国人向けの観光案内所を運営した経験者が「路地裏の活性化が国の活性化につながる」と提案するなど、活発な出前塾となりました。
 
 最後に旅行産業経営塾の塾長で「株式会社 風の旅行社」代表取締役の原優二が「旅行業界が地域創生にかかわっていったときに、どのようにして利益を生む仕組みを作っていくかが大きな課題になります。アウトバウンド、インバウンドについても山ほどある問題をどう解きほぐしていくか。5月からの経営塾には東洋大学の教授陣に3回講義していただきます。新しい方々にたくさん加わって学んでいただきたい」と話しました。

出前塾風景

風景 グループ討議発表
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